【剣体研究会~鹿間裕行氏から拡がる武の世界~】
私が鹿間氏の紹介を受けたのは確か2002年の初夏、松聲館で甲野善紀先生を通じてであった。
今から思うと初めて御会いした若かれし頃から“誠実さ”の一言が似合う男は、鹿間裕行その人であろう。
その誠実さが後々ここまで彼の技や術の親展に大きく影響しようとは当時の私では想像も付かなかったが、今から思うと探究されている姿を端から見ているだけでも学ぶところが大いにあり、刺激を受けたものである。
つまり、どれだけより優れた技や術を求めようともその人が根の部分に何を以てして其れを追究しているかでその結果が自ずと左右する。その人の追究する姿勢が技術向上の根本的要因になっていることを鹿間氏は体現されている。
武の追究は最終的には個人の探究にならなければ嘘である。皆が同じ様に、同じことを、同じ時間だけ、同じ数、同じ量すれば同じ結果が得られるであろう等と言った安易な甘えごとに武の本質はない。
自他共に私事(ワタクシゴト)として如何に探究へ没頭するかが武の本質への近道であります。
勿論それは一人とは言っても、何かに没頭できる場が得られるのは他者や外の世界との関係性の中で生じることによってであるが、やはり自他との関係性の中から再び問われるは私(ワタクシ)であり私事(ワタクシゴト)としての追求・探究である。
その様な追求・探究において“その個人の誠実さ”が本質への近道であることを鹿間氏は長年の付き合いの中で私に目の当たりに見せてくれたと言えよう。
いま鹿間裕行氏を中心に行われている剣体研究会は、氏の何かを追究する姿勢を目の当たりに出来る希な機会であり、現代武道で失われつつある「真剣を用いずして真剣とは何か」を知る術が満ちている研究会であります。
武を志す者なら少なからず得るものあり!
また、政や商いなども含め今の世では希になりつつある本当の“誠実さ”を剣を通じて体現することを試みている鹿間裕行氏を目の当たりにすることは、それだけでも人が何かを追究する在り方を再び感じる事のできる良い機会になるかと思います。
武の本質を追究されたいなら、機会と御縁のある方は是非とも鹿間裕行氏に御会いされることをお勧めいたします!!
光岡 英稔
(日本韓氏意拳学会会長・国際武学研究会会長)
・日本韓氏意拳学会 http://www.hsyq-j.com/
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